白菜が安くて美味しい季節ですね。
今日はそんな白菜の美味しい季節にぜひ食べていただきたい伝説の白菜鍋を紹介します。
ずっと以前に読んだ妹尾河童さんの『河童のスケッチブック』という本。
その中で「白菜が信じられないほどおいしい鍋」と紹介されていたのが、この鍋、『扁炉(ピェンロー)』です。
作り方が簡単だったので物は試しと作ってみたら、思っていた以上に美味しかった!白菜ペロリ!
それ以来、私の冬の定番鍋になっております。
(最近はピェンロー、ネットや雑誌で広まって随分知れ渡ってきたようです。この記事を読まれている方の中でもすでにご存知の方もいらっしゃるのでは?)
河童のスケッチブック (文春文庫) | ||||
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そして3年前、レシピを独り占めするのはもったいないと会社の子にこの鍋を紹介したところとっても気に入ったようで、冬になるとその子もお弁当にピェンローを持ってくるようになりました。
この年末なんか、4日連続でお弁当にピェンロー。(もちろんその日の晩御飯にも食べている)
聞くところによると、この鍋をたくさん食べる為に白菜を丸ごと1個購入してるんだとか。(注:独り暮らしの女性です)
それくらいに白菜が美味しく、いくらでも食べられてしまうお鍋なのです。
では作り方を紹介しますね。
作り方といっても難しい手順はなにも無いので、今回は鍋奉行さんの出番はないのです、ごめんなさいね。
ざっくり作っても誰が作っても美味しく出来上がる鍋なので。
最後に紹介する決まりだけ守れば美味しくできます。そう、決まりを守ればね…。
ピェンロー作り方
1.干し椎茸を戻す
前の晩から戻しておきます。
戻し汁はそのまま鍋の出汁になりますので、水はたっぷりとね。
2.椎茸と白菜の芯を煮る
鍋にたっぷりの水、戻した椎茸、椎茸の戻し汁、白菜の芯(白い部分)ざく切りをいれて火に掛ける。
3.豚肉と鶏肉を煮る
沸騰したら、適当に切った豚肉と鶏肉を入れて煮る。
煮る時間とか、火加減とかは適当でOK。
4.白菜の柔らかい所とごま油を入れて煮る
そろそろかなーと思った頃に、白菜の柔らかい葉(緑の部分)ざく切りと、ごま油を2回しくらい入れる。(ごま油の量も適当)
5.春雨を入れる
白菜をくたくたになるまで煮たら(目安は40分以上)、春雨を入れる。
春雨が食べごろになったら、最後に再びごま油をタラタラと回し入れてできあがり。(ごま油はトータルするとけっこうたっぶり入っています)
ピェンロー食べ方
鍋ができあがったら、ピェンローの食べ方です。
ピェンローは鍋自体に味がついていないので、各自がそれぞれ椀で味付けをします。
使うのは塩と一味唐辛子。
これをお好みで椀に入れます。
そこに鍋から出汁をひとすくい入れて塩を溶かします。
注意したいのは、ここで出汁を入れすぎないこと。
最後に鍋に残った出汁でお粥を作るので、ぜひ残しておきたいのです。
この塩味の出汁に、鍋の白菜や肉をひたして召し上がってくださいね。
この時、味がぼやけるなどピェンローが美味しく感じなかったら塩が少し足りないのかもしれません。
塩味は濃い目くらいの方がおいしくいただけますね。
河童さんが、「思ったほどでもないな。」とおっしゃる方に対しては「あなたの味付けがよろしくないのですよ。」といえばよいので楽だと言われていましたので、私もそのようにさせてもらってます。
各々で味付けをしてもらうのはこのようなメリットもあるのです(笑)
そしてこの鍋の最後は、ぜひご飯を入れてピェンロー粥で〆てください。
このお粥、ほんとに絶品ですから。
さて、作り方は簡単でおおざっぱなピェンローですが、これだけは守ってほしいという決まりがあります。
ピェンローの決まり
- 間違っても葱や菊菜、人参などを入れない。野菜は白菜だけ。
鍋となるとついついいろんな物を入れたくなるんですよね。
会社の子も最初に菊菜や人参を入れてしまったのだけど、やっぱり白菜だけがいいと悟って今は他の野菜は入れないそうです。
引き算の美学ってところでしょうか。
もしご興味があれば、最初はぜひオリジナル通りの材料で作っていただきたいと思います。
ピェンローを作る際のポイント
- 豚肉はロースではなくバラの方がいい
- 鶏肉は味の出ないササミはだめ
- 春雨が手に入らなければビーフンで代用可
- ごま油は極上品よりも色と香りの強い普通のもので
- 塩は調味用の粗塩で。精製した卓上塩でないものの方がよい
さぁて。
この冬は、あと何回ピェンローを楽しめるかな~。(独り鍋含め、すでに10回は食べている…)
また白菜を買い足さなくっちゃね。
みなさんも家に白菜があまっていたら、ぜひお試しくださいね。
コメント
せ、妹尾河童さん!! 思わずコメント…
河童が覗いた〇〇シリーズが好きで持ってるのですが、これは読んだこと
ありませんでした。図書館にあるかしら。
ピェンロー美味しそうです (*^-^)
(ピェって打ちづらいですね… PYEでいいのか… ;;)
ぜひやってみます~!!
しましまさま
おぉ!
しましまさんも妹尾河童さん読者でしたか。
河童が覗いたシリーズは、ヨーロッパを持っていました。
まだ海外に行ったことがなかったので、これを読んで外国にすごく憧れましたよ~。
当時、旅行記というか冒険記が好きで椎名誠さんなんかもよく読んでたなぁ。
なつかしいです。また読みなおしたーい。
私も図書館で探してみるかな。
ピェンローは白菜がお安いうちにぜひぜひ試してみてくださいね。
子どもウケはもしかしたら期待できないかもしれませんが^^;
詳しい作り方は河童のスケッチブックでご確認を。
私の紹介よりも、もっとピェンローが美味しそうに紹介されていますので絶対に作ってみたくなりますよ。
そして「ピェ」が打ちづらい問題、私、カナ入力なので全く問題なく打ってます。えへへ。
ローマ字だとPYEになるんですね。こりゃわからんわ。
ピェンローという正式名称があったのですね!
我が家では勝手に『塩鍋』と名付けて昔から食しております♪
ですが、ゴマ油を使っていなかったり
鶏は手羽元を使ったり、余計な野菜を入れたりと
オリジナルから脱線していたことに気付きました…(^^;)
このお鍋、白菜も美味しいけど
私はついつい春雨に手が伸びてしまいます!
ごまめさま
河童さん関係なしにご存知だったとは。
「ピェンローといえば河童」な認識だったので、ごまめさんすごーいと思ってしまいました。料理のレパートリーをたくさん持っていらっしゃるんですね。
河童さんにいわせると、ゴマ油はピェンローの3大核らしいですよ。
ゴマ油と白菜と、あとなんだったかな?塩だったかな。
ぜひ入れてくださいね~。
あ、でもゴマ油なしバージョンも美味しそうなので、こちらを『塩鍋』として楽しむのはどうでしょうか。
鶏肉は手羽でも美味しいみたいです。
むしろ骨付きの方が出汁が出てよさそう。
私も今度は手羽元を使ってみようかな。
そうそう。
白菜もおいしいけど、出汁を吸った春雨が超絶おいしいんですよね。
すごくわかります。
しかし入れすぎるほどに出汁が吸い取られて、最後のお粥までに出汁が残らないというジレンマ…。
悩ましいです。
この冬も、ピェンロー食べて寒い冬をがんばって乗り越えましょう!
うわ~絶対にチャレンジします。
手順と注意点・・・適当料理人としては助かります。
MAIさま
ピェンロー、白菜がおいしいこの時期にぜひお試しくださいね。
材料さえ揃えれば、あとはひたすら煮るだけなので私も助かっています。
鍋につきっきりにならなくてもいいので、人が集まった時の料理にもいい感じです。
こういう料理、たくさん覚えたいなぁ。